

国の重要文化財である道後温泉本館は、昨年、改築130周年を迎え、長い歴史の節目に立ちました。
重ねられた時間と記憶をまといながら、新たな季を迎えた本館にふさわしく、私たちはここに「アート」という息吹を再び吹き込むことを選びました。
写真家・映画監督・現代美術家として唯一無二の世界を紡ぎ出す蜷川実花さん、そして創造力に満ちたクリエイティブチームEiMを迎え、「蜷川実花 with EiM × 道後温泉 DOGO ART」を開催します。
歴史と文化が積み重ねられた空間に、現代の感性を響き合わせることで、道後温泉はこれまでにない姿を映し出し、訪れる人々の心に、忘れ得ぬ景色を刻むことでしょう。
Concept
いのちの咲く湯
-A Place for Blooming-
道後温泉は、古代より神々を癒し、人々の詩や祈りを育んできた「いのちの咲く場所」です。本企画「いのちの咲く湯 -A Place for Blooming-」では、この地に積層した神話・歴史・文学・暮らしの記憶を、花の姿として呼び覚まします。花は単なる装飾ではなく、かつて湯に浸った命の残響であり、神の気配、記憶の化身です。建築の肌理(きめ)に光が沁みわたり、花が舞い漂うことで、空間そのものが呼吸を始めます。そこに浮かび上がるのは、時代を超えて重なり合う無数の記憶であり、この土地に脈打ち続ける生命の網です。
Artists

蜷川 実花
[にながわみか]写真家、映画監督、現代美術家
Profile
写真を中心として、映画、映像、空間インスタレーションも多く手掛ける。
クリエイティブチーム「EiM(エイム)」の一員としても活動中。
木村伊兵衛写真賞ほか数々受賞。2010年ニューヨークのRizzoliから写真集を出版。
また、『ヘルタースケルター』(2012年)、『Dinerダイナー』(2019年)をはじめ長編映画を5作、Netflixオリジナルドラマ『FOLLOWERS』(2020年)を監督。
これまでに写真集120冊以上を刊行、個展150回以上、グループ展130回以上と国内外で精力的に作品発表を続ける。
個展「蜷川実花展with EiM:彼岸の光、此岸の影」(京都市京セラ美術館、2025年1月-3月)は、25万人を動員。
最新の写真集に『Eternity in a Momentvol.1‒3』(Akio Nagasawa Publishing & Case Publishing、2024年)がある。
https://mikaninagawa.com
主な展覧会/
グループ展「I’M SO HAPPY YOU ARE HERE」Palais de l'Archevêché、2024年
グループ展「Tokyo : Art & Photography」アシュモレアン博物館、2021年‐2022年
「MIKA NINAGAWA INTO FICTION / REALITY」北京時代美術館、2022年
「蜷川実花展」台北現代美術館」MOCA Taipei、2016年




【EiM(エイム): Eternity in a Moment 】
蜷川実花と、科学者・EiMプロデューサーの宮田裕章、クリエイティブディレクターの桑名功、テクニカルアートディレクターの上田晋也、ディレクターの打越誠らで結成されたクリエイティブチーム。プロジェクトごとに多様なチームを編成しながら活動する。
主な作品発表/
「胡蝶の旅 Embracing Lights」安比Art Project、2022年
蜷川実花「残照 / Eternity in a Moment」小山登美夫ギャラリー前橋、2023年
「蜷川実花展 Eternity in a Moment 瞬きの中の永遠」TOKYO NODE、2023‒2024年
「蜷川実花展 with EiM:儚くも煌めく境界」弘前れんが倉庫美術館、2024年
「深淵に宿る彼岸の夢」森の芸術祭晴れの国・岡山、満奇洞、2024年
「蜷川実花展 with EiM:光の中で影と踊る」南城美術館、2024年
「蜷川実花展 with EiM:彼岸の光、此岸の影」京都市京セラ美術館、2025年
蜷川実花 with EiM × 道後温泉 DOGO ART
- 会 期 :
- 2025年10月10日(金)~2027年2月28日(日)
- 場 所 :
- 道後温泉地区
- 主 催 :
- 道後アート実行委員会